桐山製昇華装置による結晶物の精製[1]

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目的

桐山製作所で新たに開発した固体結晶物の昇華精製装置を使用して、市販の結晶試薬を混合した試料原料の昇華分離を行い、ガスクロ分析によって装置の有効性と改良点を検討した。

実験

実験で使用した試料は、市販のナフタレンとハイドロキノンの結晶を100g:10gに混合して用いた。
昇華槽の上部から不活性ガスを少量吸引して気流を形成し、この気流に同伴して昇華した気体を析出槽に導いて結晶化させた。
実験終了後、昇華した結晶をガスクロにて分析した。
実験装置の概略図

実験条件

原料物性


実験結果

実験結果のガスクロチャートを下記に示す。
原料 
 

昇華結晶(ナフタレン)


釜残(ハイドロキノン)


今回の実験から下記のことがわかった。
  1. ナフタレンはハイドロキノンに比べて圧倒的に昇華速度が速いので、ほぼ純度100%のナフタレン結晶が得られる。
  2. この2成分の分離では、昇華操作の実験条件はあまり精密にコントロールする必要がないので実験は比較的容易であった。
  3. ただし、ガスの吸引は少量で良いので、ニードルバルブなどで調節し、流量を測定するのが望ましい。




 

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