桐山製昇華装置による結晶物の精製[2]

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目的

前回に引き続き、複数の昇華性の市販結晶を混合して試料原料とし、桐山製昇華装置を使用して昇華分離を行なった。

実験

実験で使用した試料は、市販のナフタレン、安息香酸、ハイドロキノン、1-ナフトールの4種類結晶を10g:10g:10g:5gに混合して用いた。
昇華槽の上部から不活性ガスを少量吸引して気流を形成し、この気流に同伴して昇華した気体を析出槽に導いた。
実験終了後、昇華した結晶をガスクロにて分析した。
実験装置の概略図

実験条件

原料物性


実験結果

実験で使用した実験で得られた結晶の写真とガスクロチャートを下記に示す。
昇華結晶したナフタレン写真

原料ガスクロチャート
 

結晶ナフタレンガスクロチャート


今回の実験から下記のことがわかった。
  1. 4種類の結晶のなかではナフタレンが最初に昇華し、純度98.8%の結晶ナフタレンが得られた。
  2. 得られたナフタレン結晶中には、安息香酸、1-ナフトールが微量混入していた。
  3. 真空コールドトラップからは微量のナフタレンが得られた。このナフタレン純度は100%であった。
  4. 昇華で得られるナフタレンの純度、回収率は昇華温度と真空度に影響されるので、昇華の最適条件は試行錯誤で決める必要がある。

     




 

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