
化学の研究、実証実験などにはガラス細工による器具や装置類が不可欠な存在である。
多岐にわたる使用目的に適した製品を作り、仕上げるには正に現場力が問われる。
ガラスをなだめ、ねじ伏せて自在に操り複雑な構造物を作る『硝子職人』はこの技術と、
ある程度の化学知識を持ち合わせねばならないが、このバランスが桐山製作所の現場力そのものである。

当社では規格化された製品の他に、研究家の独自案による要望があり、後者の場合は先ず、はじめて接する課題であり困難ながらも、使用目的上のポイントや注意点を十分理解した上で作業が始まる。

また、ガラス装置類を製作するだけではなく、実際に液を仕込み加熱して検証する等現場人が行っている。この結果を肌で感じてこそ的確な器機造りができるのである。

電機・電子工学専攻者等には半田付けが必須であるが、化学ではガラス細工がこれに相当 する。近年ではこの技能が著しく不足している。桐山ではこれに対処するため広く研究者 を対象に『ガラス細工講習会』を開催している。これも使用者側、現場力の一助となれば 幸いである。