オーバルリングを充填した自己与熱式2重保温蒸留塔の性能 (2)

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目的

前回に引き続いて、オーバルリングを充填した自己与熱式2重保温カラムを使用して、充填高を種々変化させ、塔内気液平衡が安定に達したときの理論段数とHETPを測定した。
オーバルリングとは、桐山製作所が開発したガラス製の蒸留用パッキングで、 フッ酸以外の酸(例えばトリクロロ酢酸など)及びアルカリ、または鉄によって着色するフェノール類(例えばオイゲノールなど)、鉄の触媒作用によって分解するハロゲン類(例えばロムベンゼンなど)の蒸留塔や吸収塔の充填物として最適である。

自己与熱式2重保温蒸留塔、およびオーバルリングの構造

オーバルリングはカラム上部よりランダムに投入して充填した。
充填密度は0.813〜0.876g/ccであった。
自己予熱式2重保温蒸留塔概略図


オーバルリングの写真

塔性能の測定方法

理論段数は前回同様、Fenske の式を使って算出し、HETP(mm/段)は充填高を理論段数で割って計算した。 
測定中は充填カラムの外側をタオルでさらに保温した。
それぞれの電圧負荷値は焚き上げが最良となるように設定した。

測定結果

<生データ>  


<結果のグラフ化>
 

<測定条件>
    充填塔; 内径25mmΦ、充填物 桐山製オーバルリング
    蒸留釜フラスコ; 容量3L、モノヒート加熱
    測定試薬; n-ヘプタン(bp98.4℃)/メチルシクロヘキサン(bp100.9℃)=50/50wt

測定結果の考察

  1. HETPは43.1〜50.2mm/段の範囲で変動しているが、ほぼ一定とみなせる。従って、理論段数は、充填高にほぼ正比例で増加するとみてよい。
  2. オーバルリングはランダム充填であるため、充填密度は一定しないが、その値は0.813〜0.876g/ccの範囲であった。
  3. HETPの変動は、加熱用ヒーターの負荷電圧値、充填密度および塔の保温状態にも関係すると思われる。
  4. HETPは、塔径によっても影響される。ちなみに、弊社総合カタログでは20mmΦの場合、HETPは42mm/段であった。

スルザーパッキング対応

本蒸留装置は、スルザー規則充填物や、その他の不規則充填物等を目的に合わせて使うこともできる。

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