オーバルリングを充填した自己与熱式2重保温蒸留塔の性能 (1)

HOME > 桐山研究室 > オーバルリングを充填した自己与熱式2重保温蒸留塔の性能 (1)
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

目的

内径25mmΦ×充填高1400mmHの自己与熱式2重保温蒸留用カラムに、オーバルリングを充填して負荷電圧を変化させたとき、理論段数、HETP、圧力損失などの蒸留塔分離性能がどのように変化するかを調べた。
オーバルリングとは、桐山製作所が開発したガラス製の蒸留用パッキングで、フッ酸以外の酸(例えばトリクロロ酢酸など)及びアルカリ、または鉄によって着色するフェノール類(例えばオイゲノールなど)、鉄の触媒作用によって分解するハロゲン類(例えばブロムベンゼンなど)の蒸留塔や吸収塔の充填物として最適である。

自己与熱式2重保温蒸留塔、およびオーバルリングの構造

自己予熱式2重保温蒸留塔概略図


オーバルリングの写真

塔性能の測定方法

理論段数は、Fenske の式を使って算出し、HETP(mm/段)は充填高を理論段数で割って算出した。
圧力損失はU字管に水を入れて、塔頂と釜フラスコの差圧を実測した。

測定結果

<生データ>  


<結果のグラフ化>
 

<測定条件>
        充填塔; 内径25mmΦ×1400mmH、桐山ガラス製オーバルリング576g充填
        蒸留釜フラスコ; 容量3L、桐山製モノヒート加熱
        測定試薬; n-ヘプタン(bp98.4℃)/メチルシクロヘキサン(bp100.9℃)=50/50wt
     

測定結果の考察

  1. オーバルリングを充填した蒸留塔の場合、焚き上げ量(負荷電圧)を変化させても理論段数、HETPなどの蒸留塔の分離性能はあまり変化しないことがわかった。これは不規則充填物の特徴に合致する。本実験では、理論段数は26.7〜31.2段、HETPは44.9〜52.4mm/段であった。
  2. 蒸留塔の圧力損失は、焚き上げ量(負荷電圧)を上げると大きくなった。本実験では、 75〜90Vに変化させると、90mmH2Oから120mmH2Oに増大した。不規則充填物の蒸留としては小さな値である。
  3. 蒸留フラスコの保温の仕方によって蒸留塔の分離性能、圧力損失が大きく変化することがわかった。保温を充分行なうと分離性能は向上するが、フラッディングを起こし易くなる。

スルザーパッキング対応

本蒸留装置は、スルザー規則充填物や、その他の不規則充填物等を目的に合わせて使うこともできる。

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

 

 

 

 

 

お問い合わせ

CONTACT

お問い合わせは、以下メールフォームまたはお電話からお寄せください。

お電話でのお問い合わせはこちら

03-3802-0005

受付 / 平日8:30~18:00

製品についてのお問い合わせ

オーダーについてのお問い合わせ

Copyright 2017 Kiriyama glass.CO. All rights reserved.