水抜き反応(9) 各種酸とエタノールとの反応

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目的

今回は、各種の酸とエタノールとのエステル化反応を無溶媒で行なった結果をまとめた。
反応で生成する水は、パイプ状のゼオライト膜(三井造船㈱Na4A型)を使って除去した。
触媒は今までと同様に強酸性樹脂(オルガノ社製アンバーリスト-15)を使用した。
二次の反応速度定数kを計算し、酸の種類による反応速度を比較した。

各種の酸とエタノールとの反応で生成するエチルエステルは香料として使用されている。

水抜き反応装置実験法


ゼオライト膜の外径は12mm、蒸気上昇部カラム径は外径20mm(内径16mm)、カラムとゼオライト膜とのクリアランスは2mmのものを使用した。
使用した触媒は使用後にエタノールで洗浄した再生品の触媒である。
各種酸に対するエタノールのモル倍率を10倍一定とした。反応温度は還流下すべて79℃であった。

測定結果

反応時間と転化率の関係、生データ、および反応仕込条件を下記に示した。

<図1>反応時間と転化率の関係 


<図2> 実験の生データ 


<図3>仕込み条件



<図4>反応速度定数(二次)

k = ( ln((M-xA) / (M (1-xA))) / (CA0 (M-1) t )
                     但し、 M;酸に対するエタノールの倍率(モル)
                       xA;酸の転化率(%)
                              CA0;酸の初期濃度(mol/cc)
                               t;反応時間(分)

測定結果の考察

  1. 芳香族酸の安息香酸は、脂肪族酸に比べて反応速度が遅い。
    この理由は、芳香族酸の場合、分子の立体障害と共鳴安定化が影響していると思われる。
  2. 脂肪族酸では、炭素数が小さいほど反応速度は速い。この理由も分子の大きさに関係していると思われる。
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