水抜き反応(2) 触媒濃度

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目的

前回は、カプリル酸(オクタン酸)とエタノールをアンバーリスト-15触媒(強酸性イオン交換樹脂)によってエステル化反応を行なった場合に、触媒を洗浄して再使用するときの反応速度について報告した。
今回は、カプリル酸に対するエタノールのモル倍数Mを同じにして触媒量(濃度)を変えたとき、反応速度がどのように変化するかを反応速度定数kによって調べた。

水抜き反応装置実験法

実験法は前回と同様とした。
反応は3回行い、触媒濃度はそれぞれ0.0202g/ml, 0.0333g/ml, 0.0405g/mlである。
なお、触媒使用量は3g, エタノールのモル倍数は10と一定にした。
反応時間と転化率の関係を測定してグラフで示した。
また、触媒濃度と2次反応速度定数kの関係をグラフで示した。
 使用した触媒はいずれも反応後にデカントして液のみを除去したあと、触媒をエタノールにて5〜6回洗浄、デカントを繰返したものを使用した。

測定結果

反応時間と転化率について生データを得て下記グラフを作成した。

生データ


<図1>経過時間と転化率の関係


<図2>触媒濃度vs速度定数k  





測定結果の考察

  1. 前回同様、2次反応速度式に従って反応速度定数を計算すると、反応速度定数は、触媒量(触媒濃度) に比例することがわかった。触媒濃度が0.0202g/mlのとき、k=0.42、0.0333g/mlのとき、k=0.70,0.0404g/mlのとき、k=0.84であった。
    即ち、2次反応速度k=20.85×触媒濃度(g/ml)であった。<図2>
  2. この事実から、反応速度(反応時間)は強酸性イオン交換樹脂触媒の量によって制御できることを意味している。
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