目的
SAFEによる分析(1)ではSAFEを使用してゲラニオールジエチルエーテル液からのゲラニオールの回収について報告した。
今回は食品中の味と香り成分の分離とガスクロチャート採取を目的に、天然物からの抽出液を原料に、代表としてレモン果皮と長ネギを用いた。
SAFE操作法
操作法;
左上方のサーバーから原料液をゆっくり供給する。左下方のフラスコ及び装置全体は30℃程度の温水で 加熱しておく。
右下のフラスコ及び右上の冷却ポットは液体窒素で冷却しておく。冷却ポットの上方ノズルから系内を減圧にしておく。
今回は、0.5mmHg程度の減圧で行った。
左下フラスコには残渣液が、右下フラスコには蒸発濃縮液(蒸発部)が得られる。
原料液の作成;
今回使用した原料は下記5種類である。
①レモン果皮 ②長ネギ
試料をハサミでチップ状にし、ジエチルエーテル中に投入した。
スパテルを使用して試料を押し潰した。1時間程度放置して、含有成分をエーテル中に抽出し、加圧濾過して原料液を得た。
実験結果
得られた抽出水のガスクロチャートを下記に示す。
図1 レモン果皮原料液
図2レモン果皮蒸発部
図3 長ネギ原料
図4長ネギ蒸発部
測定結果の考察
1. レモン果皮、長ネギいずれの場合も、ガスクロチャート上は、原料液と蒸発部の組成には違いが見られる。
レモン果皮では、蒸発部は重質成分(チャートの遅い成分)が少なくなっている。
長ネギでは、原料と蒸発部には大差がなかった。(最後のピークはコンタミ?)
2. 原料液作成では、試料に水を加えてミキサーで粉砕し、エーテル抽出しようとしたが、エマルジョン化して、エーテル層が分離できなかった。