HOME > 桐山研究室第36-40回第40回SAFEによる分析(1)

 <連載第40回>

SAFEによる分析(1)                    

目的

    天然物試料から少量の有効成分を溶剤の助けによって簡単な蒸留法で取出す装置 として

   SAFE(Solvent Assisted Flavor Evaporator)がある。

   この装置はドイツで考案されたものであるが、桐山製作所ではこれの改良型を製造・販売

   している。

   装置の特長は、低温かつ短時間で微量の成分を抽出できることである。

   ナチュラルアイデンティーを目指したフレーバー素材や生薬の探索などに適している。

   今回は、SAFEを使用して代表的な香料成分であるゲラニオールのジエチルエーテル溶液を

   処理した場合にエーテルに同伴されるゲラニオールの量を測定してSAFEの能力を調べた。

    

SAFE装置図及び操作法

  装置の全体写真は、こちらをクリックして下さい。

   試料溶液をサーバー(左上)に仕込み、フラスコA(左下)を30℃程度に加温し、

   フラスコB(右下)は液体窒素またはドライアイス寒剤で冷却する。

   装置内部は、30℃程度の温水を循環して暖めておく。冷却器(右上)の上部から真空系に
   接続し、装置内を減圧にする。
   溶剤が真空系に飛んで行かないように、冷却器ポット内には寒剤を入れておく。

   サーバーから試料溶液をゆっくりとフラスコAに導入する。

   試料溶液の導入が終了したら、各フラスコA,B中のゲラニオール量を定量する。

 

標準操作条件の設定

    文献などの報告では、操作は高真空(10の-3乗Pa程度)で行っているが、
   これは実際の実験室では装置の関係で困難を伴う。
   そこで弊社では簡易的にもう少し真空度を下げた条件で行なっている。
   仮に標準操作として、「1wt%ゲラニオールのジエチルエーテル溶液100gを試料とし、
   1mmHg(133Pa)の減圧下で加温温度30℃、寒剤を液体窒素とし、30分で滴下する。」
   と設定する。
    

測定結果

    <生データ>                                                  
          s-No40Table.jpg                      

測定結果の考察

   1. 標準操作では、ゲラニオールはフラスコBに0.2〜0.3g程度捕集される。 

         従って、フラスコAには0.7〜0.8g残留する。(Exp12-95)。(Exp12-96)

   2. 試料中のゲラニオール量を5gと増加させてもフラスコBに飛んでくる量は

         0.2〜0.3gと変わらない。

         よって、フラスコAに残留するゲラニオールは4.7〜4.8gとなる。(Exp12-22)

         即ち、フラスコBに飛ぶゲラニオール量は使用するエーテル量によって決まる。

   3. 液体窒素をドライアイスメタノールに換えても、フラスコBに飛ぶ量は0.2〜0.3gと

         変わらない。(Exp14-04) 。

         但し、ドライアイス寒剤使用では、フラスコBのエーテルは激しく還流する。  
   4. ゲラニオールと同時にテトラデカン(炭化水素) が1g共存しても、フラスコBに飛んで
         くるゲラニオール量は0.2〜0.3gと変わらない。(Exp14-15)     
   5. ゲラニオールとテトラデカンに食用油(サラダ油)が1g共存すると、フラスコBに飛
         んでくるゲラニオール量は0.09gと極端に少なくなる(Exp12-25)。 

         即ち、食用油は保留剤としての効果を示す。

   6. 真空度を下げると、フラスコBに飛ぶゲラニオール量は減少する。

        (Exp14-01)(Exp14-02)

   7. 滴下時間を早める(15分)と、フラスコBに飛ぶゲラニオール量は減少する(0.15g)。
        (Exp14-09)
   8. 滴下時間を遅くすると(80分)と、フラスコBに飛ぶゲラニオール量は増加する(0.40g)。
        (Exp14-07)
 
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